こんにちは!
けんずFPです!
さて今回は投資信託シリーズ~その3~
ということで、投資信託についてさらに掘り下げていきたいと思います。
前回までで、投資信託についてのざっくりとした仕組みをイメージできたと思います。
少額から投資ができて、運用のプロに任せられる。
そして、個人ではとてもじゃないけど手の出せない世界の企業にも手軽に投資ができるのが
初心者にとって、非常に始めやすい点でしたね。
さて今回は、
- 投資における分散の重要性
- インデックスファンドとアクティブファンド?
- 投資信託のデメリット
についてそれぞれ解説していきます。
この記事を読めば・・・
なぜ分散が重要なのかが分かる
それぞれの投資信託の方針が理解できる
投資信託のデメリットが分かり、より理解が深まる
以上のことが期待できます。
ではいってみましょう!
投資には分散が必要!?~たまごは一つのカゴに盛るな~
投資における分散とは大きく3つに分けることができます。
- 資産の分散
- 投資先の分散
- 時間の分散
1.資産分散の考え方では、前回の記事でも説明した通り、投資信託では様々な資産に投資ができます。
例えば株式、債券、金、不動産・・はたまた小麦、原油などあらゆる資産があります。
2.投資先の分散の考え方では、例えば会社の株式の例で見てみると、
前回の記事でも説明した通り、一つの投資信託の中に様々な会社の株が入っています。
なので、「トヨタ」とか「ソフトバンク」とか一つひとつの会社ごとに見るのではなく、
一つの商品の中に何百、何千もの会社の株が入っているというのが投資先の分散です。
3.時間分散の考え方では、株価は上がったり下がったりを繰り返すということを前提として、購入する時間を分散させるという考え方です。
専門用語で言うといわゆる「ドルコスト平均法」と呼ばれます。
今回は難しいことはさておいて、「分散」と一言に言っても色んな意味合いがあるということを理解していただければOKです。
さて、投資の世界では非常に有名なある格言があります。
「たまごは一つのカゴに盛るな!」
ん・・?たまご・・?
一体どういうこと?
これを簡単に説明すると・・
一つの商品だけに集中させるのではなく、複数の色々な商品に分けることでリスク分散をしましょう
ということです。
一つのカゴにすべての卵を盛っていると万が一それをこかしてしまった場合、すべての卵が割れてしまう恐れがある。
つまり投資におきかえると、ひとつの会社の株などに集中して投資をしていると万が一倒産してしまった場合、全財産を失うはめになってしまうということになります。
一方でひとつのカゴに集中させるのではなく、いくつものカゴに分けて少しづつ卵を盛っていたとしたらどうでしょうか?
万が一ひとつのカゴを落としてしまっても少しの卵の被害だけで済みますよね。
あとの卵は無事なわけです。
無事どころか、その卵がかえって雛となり、成長してまた卵を産むかもしれません。
これが投資における分散の基本となるのです。
分散には
- 資産分散
- 投資先分散
- 時間分散
があるとさきほど説明しましたよね。
分散すればするほどリスク(不確実性)を下げることができます。
さきにも説明してきたように、個別の会社の株を個人でせっせと購入しようと思ったら莫大な資金と労力がいりますよね。
一般人もしくは初心者にとっては、ほんの少しのカゴにしか資産を分けられないということになります。
それではあまりにもリスクが高すぎます。
会社の株式で例えるのが一番分かりやすいですが、株の分散だけでは不安な人は
株とは値動きの違う、債券や不動産、金など様々な資産に分散することで、
さらにリスク分散を図ることができるのです。
そんな分散の悩みを解決してくれて、初心者にも始めやすいのが投資信託なわけです。
投資信託では一つの商品に何百、何千もの会社の株式や債券その他の資産があらかじめ分散されています。
しかも日本だけの株や資産だけに限らず、世界中様々な国の資産に分散ができる。
初心者にとっては、これを使わない手はないでしょう。
さてここまでで、投資における分散の重要性
そして、投資信託を活用することで、初心者でも手軽に世界各国のあらゆる資産に分散ができるということが分かりましたね。
では次に投資信託の種類について見ていきましょう。
投資信託の種類~インデックスファンドとアクティブファンド~
インデックスファンドとアクティブファンド?
またまた聞きなれない言葉が出てきましたが・・大丈夫!
何も難しいことはありません。
結論から言うと初心者に向いているのはだんぜんインデックスファンドです。
その理由を説明していきます。
投資信託は大きく分けると
インデックスファンド
アクティブファンド
この2種類に分類されます。
この2種類はある指数を対象としてそれに対してどうアプローチしていくかの違いがあります。
むむ・・?指数って何?
ですよね(;’∀’)
大丈夫です!
ここではイメージしやすい株価指数を用いて説明していきます。
株価指数とは、簡単に言うと様々な企業の株価を平均したものと思っていただければOKです。
皆さんも一度は耳にしたことがある株価指数として以下のようなものがあります。
日経平均225
TOPIX(トピックス東証株価指数)
NYダウ(アメリカ)
S&P500(アメリカ)
例えば、ちまたでよく「日経平均が高いから景気が良い!」とか
「日経平均が低いから景気が悪い」とかよく耳にしませんか?
この「日経平均」いわゆる日経225とは、日本経済新聞社が東証一部に上場している企業の中から選んだ225社の平均株価のことです。
投資信託ではこの日経225などの指数をベンチマーク(目標)とします。
世の中には膨大な数の投資信託が存在していますが(6,000以上・・(;’∀’))
その中で多くの投資信託ではベンチマーク(目標)を設定しています。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いをすごく簡単に言うと
- ベンチマーク(目標)を上回る成績を目指すか
- ベンチマーク(目標)とほぼ同じ成績を目指すか
ということです。
イメージとしては下の図の感じです。
そして、インデックスファンドとアクティブファンドの比較は以下の通りです。
インデックスファンドは目標とするベンチマーク(日経225など)と同じ動きをするように設定されています。
言ってしまえば機械的に株価指数に連動するように売り買いが行われたり組み入れ銘柄が変更されます。
運用方法については、色々ありますが今回はざっくりイメージできればOKです。
インデックスファンドの組み入れ銘柄はベンチマーク(目標)とする指数の組み入れ銘柄とだいたい同じとなっています。
下の表は私も購入しているアメリカの【S&P500】という指数に連動するインデックスファンドである
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という商品の組み入れ上位10銘柄です。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、テスラ、ジョンソン&ジョンソン・・・
皆さんもご存じのアメリカの名だたる大企業が上位を占めていますね。
指数であるS&P500の組み入れ構成銘柄もだいたい上表と同じような感じとなっています。
なのでインデックスファンドは、指数に連動してだいたい同じような動きになるよう機械的に運用が行われていくという点が特徴と言えます。
シンプルで分かりやすいですよね。
一方アクティブファンドはインデックスファンドとは対照的に市場平均を上回ることを目標とします。
つまり、ファンドマネージャーが緻密な企業分析をしたり、場合によっては直接企業訪問し情報を集めたりします。
想像するだけでかなりの手間がかかっていますよね・・
そりゃ手数料もたくさん取られるわけです。
しかし、手間暇かけたからと言って、必ずいい結果が期待できるとはかぎりません。
過去の歴史から、インデックスファンドとアクティブファンドの勝率では、インデックスファンドのほうが上回っているのです。
もちろんインデックスファンドを上回っているアクティブファンドもありますが、初心者にそんなファンドを見つけ出すことができるでしょうか・・?
もし運よく見つけられたとしても、そのファンドがずっと利益を上げ続けられるかは分かりません。
であれば・・実体経済に連動しており、手数料が安く手軽でシンプルなインデックスファンドを選択するのが初心者や投資にあまり時間や労力がさけない方にとっては最適解と言えるでしょう。
最後にインデックスファンドとアクティブファンドのメリット・デメリットをおさらいしましょう。
以上がインデックスファンドとアクティブファンドの違いでした。
ざっくりとしたイメージですが、おおまかな違いを理解していただけたのではないでしょうか?
もう一度言います!
投資初心者や投資にあまり時間が割けない方にとっては間違いなくインデックスファンドです!
覚えておいて下さいね。
投資信託のデメリット
さて、これまでいかに投資信託という商品がすばらしいか。
初心者にとって、手軽で始めやすいかなどなど良い所ばかり説明してきました。
さてここらで投資信託のデメリットもいくつかご紹介しておきます。
投資信託のデメリット!
あえてあげるとしたら以下の3つです。
- 手数料がかかる
- こまめな売り買いができない
- 途中で強制終了のおそれあり
やはり何事にもメリットがあればデメリットもある。
新しいことを始める際には、まずデメリットのことも知っておかなくてはなりません。
手数料がかかる
個人が通常株を売買する場合、証券会社を通じて行います。
個別株の場合、購入時手数料と売却時の手数料が発生します。
投資信託ではそれに加えて、保有しているだけでも手数料がかかります。
それを信託報酬(しんたくほうしゅう)と呼びます。
投資信託のメリットとして、商品選びから運用、管理までプロにお任せできるという点がありましたよね。
普通に考えて、その分の手数料がかかってくるということなんです。
つまり投資信託を保有する場合、以下の手数料が発生することになります。
購入時手数料(購入時)
信託報酬(保有時)
信託財産留保額(解約時)
しかし、そこまで悲観的になることはありません。
ネット証券を活用することで、手数料を限りなくおさえることもできます。
それに加えて、投資信託では購入時手数料と解約時手数料がかからない商品も数多くあります。
また、投資信託を保有している間、毎日発生する信託報酬に関しても、商品によっては
0.1%台の商品やそれ以下の商品も数多く存在します。
しかしその逆も然りで、非常に高い手数料を取る商品もあるのが事実です。
長期分散投資の基本は長期間保有し続けることが大前提のため、保有時のコストである
信託報酬はかなり重要となってきますよね。
インデックス投資で、同じ指数をベンチマークとする商品であれば、そこまで成績に差が出てくることはないので、やはりコストが安い商品を選ぶということが大変重要となってきます。
商品選びの詳しい説明等はまた別記事でご紹介するとして、とにかく投資信託保有時には手数料がかかるということを理解できればOKです。
以下に発生する手数料のだいたいの目安を示しています。
購入時手数料 0%~3%ぐらい
信託報酬 0.1%程~2%ぐらい
信託財産留保額 0%~0.5%ぐらい
先ほども説明した通り、購入時手数料と信託財産留保額(解約時)は手数料が発生しない商品も多くあります。
しかし、見てもらったら分かるように商品によっては2%以上の信託報酬を取られることも普通にあります。
例えば100万円分投資信託商品を保有していたとして、1年間運用し結果100万円のままだったとしても
2%の信託報酬がかかるとなると、それだけで-2万円ということになります。
とてもじゃないけど長期運用していくうえで、これだけの手数料がかかってくるということはどう考えても不利ですよね・・
なので、信託報酬は、投資信託を保有するにあたって、非常に重要となってくるコストなのです。
こまめな売り買いができない
2つ目のデメリットとして、こまめな売り買いができないという点があげられます。
株価は日々1秒単位で価格が変わるなど、目まぐるしく動いています。
初心者の方が株のトレードと聞いて連想する場合、このようなイメージではないですか?
通常上場している株の取引では証券市場が開いている間は、自分のタイミングで売り買い等ができます。
しかし投資信託は基準価格というものに基づいて取引が行われており、この基準価格は1日1回しか算出されません。
多くの場合その日の夜に基準価格を算出し、深夜頃に随時公表されることになります。
したがって、自分が買いたいと思った時に買うことができないのです。
公示される基準価格はリアルタイムではないため、誤差が生じるのです。
そもそも、投資信託は個別株の売買やデイトレードで利益を求めるのとは全く違い、
分散を図りながら、長期で資産を増やしていくことを前提として運用されるため、何もリアルタイムでの売買を求める必要はないのですが・・
とりあえず、投資信託はリアルタイムでの取引ができないという点を理解しておいてください。
途中で強制終了するリスクあり
投資信託ではあらかじめ期間が定められている商品があります。
それを信託期間と言います。
【信託期間5年】とか【信託期間10年】とかあらかじめ期間を定めており、
それを商品説明書(目論見書)に記載しています。
これは文字通り5年や10年たったら終了するということをあらわしているのです。
一方で信託期間を定めていない商品もあります。
こういった商品は商品目論見書に【信託期間無期限】としるされています。
これも文字通り、無期限で商品を運用していくということをあらわしています。
今までおすすめしてきた、インデックスファンドを長期で保有し続ける場合はもちろん
【信託期間無制限】の商品が良いに決まっていますよね。
しかし、いくら無期限の商品であっても、突然終了してしまう場合もあるのです。
いったいこれはどういうことでしょうか・・?
ずばり!
答えはその商品の人気に関係しているのです!
何度も説明してきたように、投資信託というのはたくさんの人から資金を集めて、集まった莫大な資金を投資のプロが運用しているんでしたよね。
ということは、人気がある商品はどんどん人が集まり、それに比例して資金も膨れ上がっていきます。
逆に人気がない商品は人が集まらず、資金も増えないという事態に陥ります。
そして資金があまりにも少なくなってしまうとどうなるか・・
そうです!株などが買えなくなってくるのです。
ということで、人気がなくなってきた商品というのは株などが思うように購入できず、
結果、強制終了という最悪の事態に陥ってしまうというリスクがあるのです。
なので、投資信託を購入する場合は、その商品がちゃんと人気のある商品なのか見極めることが非常に重要と言えます。
ではどうやって人気があるか見極めるの??
っていうことになってきますよね。
ここでは人気度合いをはかるひとつの目安として、【純資産額】という項目に注目しましょう。
純資産額というのはいわゆる、集まっている資金の総額といえます。
この純資産額がずっと右肩上がりに増え続けているという商品は人気がある商品といえます。
逆に純資産額がずっと右肩下がりの商品はとてもじゃないけど人気があるとは思えないですよね。
ですから、投資信託を選ぶ際にはこの純資産額が多いか少ないか。
また順調に増え続けているか、もしくは極端に減ってきている傾向にないか等に注意していく必要があります。
ひとつの基準としては純資産額100億円以上を目安にすると良いのではないかと思います。
これはあくまでも目安です。絶対ではありません。
例えば、今日運用がスタートした投資信託はいくら優良の投資信託であっても
純資産額が100億円に満たないケースも十分ありえます。
なのであくまでも目安で100億円ぐらいなんだと思っておいて、あとは増え続けているのか減り続けているのか等の推移も判断基準にしていけばよいと思います。
要は、極端に人気がない。もしくは人気が急落してきている投資信託は、いくら無期限をうたっていても途中で強制終了となるおそれがあるということを覚えておいてください。
まとめ
さてここまでで、投資信託に関する本当に入門的情報をお届けしてきました。
今まで投資信託っていうフレーズはよく聞くけれど、実際にどういうことなのかイメージがつかなかった方もおられると思います。
そんな方にとっては、投資に興味をもつ一歩としていくらか参考になるのではないでしょうか。
投資信託シリーズとして1~3に分けて記事をお届けしてきましたが軽くおさらいをしておきましょう。
投資信託のメリット
- 少額から始められて、運用はプロに任せられる
- ひとつの商品で、幅広く分散できる
- 個人では実際投資する事の難しい、国や企業にも投資ができる
投資信託のデメリット
- 保有し続けるのにコストがかかる
- 個別の株式みたいに頻繁に売り買いができない
- 運用途中で強制終了してしまうこともある
- すぐには儲けはでない
メリット・デメリットはありますが、それでもやはり投資信託は、投資初心者や投資にそんなに時間がさけない方にとって、最適な手法なのではないかと思います。
これから投資を始めたいと考えている方は、ぜひ投資信託から投資を始めてみるのがおススメです!
私も実際インデックスファンドを複数保有しており、こつこつと積み立て継続している真っ最中です。
そして長い期間をかけてこれからも育てていくつもりです。
またそんな途中報告なんかも記事にしてお知らせできればと考えています。